薬剤師パパのつぶやき

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【解熱剤】薬剤師が解説するイブプロフェンの効果・副作用

「解熱剤っていろいろあるけど、なにがいいの?」

イブプロフェンってどんな薬?」

イブプロフェンってコロナワクチンの副反応に効く?」

 

イブプロフェンは市販薬として購入できる解熱鎮痛剤の1種です。

鎮痛作用・解熱作用・抗炎症作用があり、コロナワクチンの副反応である痛みや発熱にも効果があります。

今回はこのイブプロフェンについて薬剤師が解説します。

 

イブプロフェンとは?

 

ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される解熱鎮痛剤です。ロキソプロフェンやアスピリンNSAIDsに分類されます。

処方箋医薬品としてもよく使用され、ドラッグストアなどで購入可能な一般用医薬品としても販売されています。

鎮痛効果だけでなく解熱作用や抗炎症作用もあるため、風邪薬などにも配合されています。

 

イブプロフェンの効果

 

イブプロフェンの作用は大きく分けて

  • 鎮痛作用
  • 解熱作用
  • 抗炎症作用

の3つです。この作用において効果を発揮します。

痛みや熱の原因となるプロスタグランジンという体内物質の合成を阻害することで、鎮痛・解熱効果を発揮します。痛みや熱のもとを改善するのではなく、出ている症状を緩和する対症療法の薬として使用されます。一般的な痛みや発熱には効果的ですがが、イブプロフェンを服用し、痛みや熱が改善しないのであれば漫然と服用を続けるのはおすすめできません。

コロナワクチンの副反応としてよく起こる、注射部位の痛みや発熱に対しても効果的なので、ワクチン接種前に購入しておくとよいでしょう。

 

イブプロフェンの副作用

薬には副作用がつきものです。必ず把握しておくようにして、万が一症状が出た場合はすぐに気づけるようにしましょう。

  • 消化器症状

イブプロフェンの代表的な副作用は消化器症状です。

胃痛や吐き気、下痢や食欲の低下が起こる可能性があります。特に胃への負担が起こることが多いです。これは薬の効果により胃のバリア機能が低下してしまうことが原因です。このような消化器系の副作用を予防するために空腹時の服用を避けることが大切です。なるべく食後に服用したり、薬を服用する前に軽食やお菓子等などを口にしてから、服用するのがよいでしょう。

 

  • 腎機能障害

まれな副作用ですが、腎機能に障害を及ぼすことがあります。健康な人ではほとんど問題ないですが、腎臓が弱っていると指摘されている方や腎機能に障害がある方は注意が必要です。症状としては、尿の量が減る、体がだるい、むくみがひどく出るといった症状です。薬を飲み始めてこのような症状が出た場合はすぐに服用を中止して受診するようにしましょう。

 

また胎児への影響を及ぼす可能性があることから、妊娠中の方は服用することができません。イブプロフェンを含むNSAIDsの服用はさけて、アセトアミノフェンを選択するようにしましょう。

 

イブプロフェンを服用する際に必要な注意点

市販薬のイブプロフェンを服用してはいけない人

  • 妊娠中の方(出産予定日まで12週以内)
  • 15歳未満の方
  • 解熱鎮痛剤や風邪薬で喘息をおこしたことがある方

上記の人は市販のイブプロフェンを服用することができないので注意してください。

また腎臓病や肝臓に障害がある方や胃潰瘍・十二指腸潰瘍を起こしたことがある方はかならく薬剤師か登録販売者に相談をするようにしてください。可能であれば服用は避けるようにしてください。

 

イブプロフェンとの飲み合わせ

他に薬を飲んでいなければ問題ないですが、普段から薬を服用している場合は薬にも相性がありますので注意をしましょう。

イブプロフェン自体が長期的に服用するものではないため、ほとんど問題にはなりませんが、心配な方は覚えておくとよいです。

  • 血圧の薬

すべての薬ではないですが、血圧の薬との飲み合わせで血圧の薬の効果を弱めてしまうことがあります。結果普段よりも血圧が上がってしまうことがあるので注意が必要です。心配な方は必ず主治医や薬剤師に相談するようにしてください。

 

  • ワーファリン

血液をさらさらにする薬のワーファリン(ワルファリン)にも影響することがあります。ワーファリンの効果を増強してしまう報告があるため注意しましょう。結果、より出血しやすくなってしまう可能性があります。不安な方は必ず主治医や薬剤師に相談するようにしてください。

 

 

イブプロフェン含有の市販薬

 イブプロフェンを含む市販薬は多くありますが、代表的なものを紹介していきます。

各市販薬で細かいところで違いはありますが、イブプロフェン含有というところは変わらないのでどれを選んでも問題ないでしょう。

  • イブクイック頭痛薬DX

イブシリーズのひとつでイブプロフェン以外の成分もさまざま配合されている医薬品です。イブプロフェンも市販薬の最大量である200mg配合されています。

イブプロフェン以外にも

・酸化マグネシウム:胃薬。胃粘膜を保護することで胃への負担を減らす。

アリルイソプロピルアセチル尿素:頭痛への効果を高める。眠気に注意。

が配合されています。また素早く良く溶けるように製剤設計されています。

すばやく効いてほしい人や胃への負担が気になる人にはおすすめです。

1回2錠で1日2回までです。服用の間隔は6時間以上あけるようにしましょう。

 

眠気が気になるという人は眠気の原因であるアリルイソプロピルアセチル尿素が配合されていない「イブクイック頭痛薬」がおすすめです。

ただし、イブプロフェンの1回量が150mgとなるのでイブクイック頭痛薬DXと比較すると少なくなりますので注意しましょう。

用法は1回2錠、4時間以上の間隔をあけて1日3回までです。

 

イブプロフェンアセトアミノフェンの解熱鎮痛剤ダブル処方の医薬品です。

解熱・鎮痛にバランスよく効果が得られます。

アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されているので眠気には注意が必要になります。

用法用量は1回2錠で、4時間以上の間隔をあけて、1日3回まです。

 

  • リングルアイビーα200

有効成分がイブプロフェン単体のもので、他の薬剤は配合されていません。

1回量が市販薬最大量の200mg配合されています。

ジェルカプセルという特殊な剤形で素早く溶けて、吸収が早いということが特徴です。

眠気が気になる方や素早く良く効いてほしいという人にはおすすめの薬です。

1回1カプセル、4時間以上間隔をあけて1日2回までです。どうしても症状がつらい場合は3回まで服用してよいことになっています。

 

イブプロフェンのまとめ

イブプロフェンは発熱・痛みに対して効果的な市販薬です。

薬剤師がいない店舗でも購入することが可能なので、比較的手に入りやすいといえます。

  • しっかりと熱を下げたい
  • 痛みに早く効いてほしい
  • 病院には行けないけど、ドラッグストアで買える薬でなんとかしたい

そんな方にはイブプロフェン配合の市販薬がよいでしょう。

ただし、注意事項として再度記載しておきますが

  • 妊娠中の方(出産予定日まで12週以内)
  • 15歳未満の方
  • 解熱鎮痛剤や風邪薬で喘息をおこしたことがある方

上記の方は服用することができませんので注意してください。

 

持病を持っている方やほかに薬を服用している人で不安な方はかならず主治医、薬剤師、登録販売者に相談するようにしましょう。

 

質問等ありましたら、気軽にご相談ください。

今回はこのあたりで失礼します。