【便秘薬】癖になる!?市販の便秘薬の疑問を解決
「便秘に効く薬が知りたい」
「便秘薬は癖になると聞くけど、本当?」
「市販の薬はいろいろあってどれを選んでいいかわからない」
市販の便秘薬ってたくさんありますよね。
癖になりやすいとか、なりにくいとか聞いたことがある人もいるかと思います。
今回は市販の便秘薬について薬剤師が解説します。
そもそも便秘って?
そもそも便秘とはどのような状態なのでしょうか。毎日排便がないと便秘だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。実は何日でないと便秘という明確な定義はないのです。便が残っている感じがしたり、お腹が張ってつらいような症状があれば、便秘と判断します。簡単に言うと、すっきり便が出ない状態が「便秘」といえます。
なので3日間排便がなくてもすっきり出るような人は便秘とは言えませんし、毎日出ている人でも便が残っている感じがしたり、便が細いような人は便秘といえます。
便秘の原因は?
便秘は便を作っている大腸の動きが鈍ってしまい、便が停滞してしまうことで起こります。ストレスや慢性的な食生活の乱れ、加齢などが原因になります。
便秘の解消には薬だけでなく、食生活や運動習慣の改善なども重要な要素になります。慢性的に便秘を起こしてしまう人は生活習慣も見直すようにしましょう。
今回は薬にスポットを当てて解説していきます。
便秘薬のタイプは大きく分けて2つ
市販で販売されている便秘薬は大きく分けて2つの種類があります。
腸管に直接作用する「刺激性便秘薬」と腸管には直接作用せず、間接的に排便を促す「非刺激性便秘薬」です。いわゆる癖になりやすいといわれているのが「刺激性便秘薬」になります。これを長期的、慢性的に服用してしまうと薬がないと排便が起こらない状態になってしまいますので、適切な量・期間で服用するようにしましょう。
1.刺激性便秘薬
刺激性便秘薬は腸に直接作用し、腸管の運動を促進します。腸管を強制的に動かすことで、滞留している便を排出する効果があります。便秘に対する効果は高めで、しっかりと排便を促してくれるのが特徴です。その反面、腹痛や下痢を起こしてしまう可能性があること、長期的に服用すると薬がないと便が出ない状態になってしまうことがあるので注意が必要です。
比較的即効性があり、8時間程度で効果を発揮するものが多いです。すぐに便をだして、すっきりしたいという方にはおすすめです。
・コーラックⅡ
便通に効果的なビサコジルとDDSという2種類の薬剤が配合されている市販薬です。
ビサコジル:大腸を刺激して腸管を動かすことで排便を促進する
DDS:便に水分を持たせる作用で、硬くなった弁を柔らかくし動かしやすくする
この2種類の薬剤により排便を促します。刺激性便秘薬なので効果は高いです。早く便を出してすっきりしたい方にはおすすめです。しかし長期的に服用すると薬がないと排便が起こらなくなってしまう可能性があるため。長期的な服用にはあまり向いていないません。下痢や腹痛等の副作用にも注意しましょう。
最初は少ない錠数で服用し、それでも排便がないようであれば増やして調節してください。
※11歳未満は服用できません
ちなみに通常の「コーラック」はビサコジルのみ配合されている市販薬です。
「コーラックファースト」という市販薬もあります。これは1錠あたりの薬剤配合量が少ないので、調節しやすいのが特徴です。これには「コーラックⅡ」と同じ2種類の薬剤が配合されています。
・タケダ漢方便秘薬
「ダイオウ(大黄)」という生薬が配合された便秘薬です。ダイオウは刺激性便秘薬に分類される成分で、腸を動かして排便を促してくれます。
効果は8~10時間ほどで出てくるので、寝る前に服用すると朝自然に近い形で排便が促されます。錠数の調節もしやすいので、少量から服用することができるのが特徴です。
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2.非刺激性便秘薬
非刺激性便秘薬は腸管に直接作用するのではなく、間接的に作用することで排便を促す薬です。便に水分をもたせて柔らかくし排便を促したり、潤滑油のように腸の滑りをよくして便を出しやすくしたりする効果によって便秘を改善します。
腸管を直接刺激して動かす作用はないので、腹痛や下痢が起こりにくく、長期的に服用しても癖になりにくい特徴があります。刺激性便秘薬と比較すると即効性は劣るかもしれませんが、長期的に服用するのであれば非刺激性便秘薬がよいでしょう。
慢性的な便秘に悩んでいて、長く服用できる薬を選びたい方にはおすすめです。
・酸化マグネシウムE便秘薬
便に水分を持たせることで柔らかくし、硬くなった便を出しやすくしてくれる薬です。腸を直接刺激することはないため、効果は刺激性便秘薬に比べて緩やかですが、腹痛や下痢を起こしにくいのが特徴です。また長期的に服用しても癖になりにくく、慢性的な便秘で便が硬くなりやすい人にはおすすめです。
5歳から服用できるのも特徴で、小さいお子さんから高齢者まで幅広く服用することができます。
・オイルデル
便に水分を持たせるDDSと、生薬由来のオイル成分が配合されている医薬品です。生薬由来のオイルが便の周りに付着し、滑りをよくすることでより排便を促す効果が高まっています。どちらかというと非刺激性便秘薬に分類されるので、腹痛や下痢が起こりにくく、癖になりにくいのが特徴です。
非刺激性便秘薬でより高い効果を求める方にはおすすめでしょう。
整腸剤もおすすめ
乳酸菌などが配合されている整腸剤も便秘には有効です。
腸内には細菌が常在しており、便を作るのに必要な働きをしてくれています。腸内細菌のバランスが崩れるとうまく便が作られなかったり、お腹がはり、おならがでやすくなったりします。整腸剤は腸内細菌のバランスを整えることで、腸内環境を改善し、便通を改善する効果が期待できます。自然な排便を促してくれるので、あまり便秘薬に頼りたくないという人にはおすすめの市販薬です。
整腸剤は子供でも服用することができる薬です。しかし、一部の薬と相性が悪い場合があるので注意しましょう。具体的には血液をサラサラにする「ワーファリン」という薬です。詳しい説明は省きますが、整腸剤に含まれる菌の一種に納豆由来のものが入っていることがあります。それらがワーファリンの作用を弱めてしまうことがあるのです。
便秘薬まとめ
簡単ではありますが、便秘の市販薬について解説しました。
すぐに効果が欲しい人には刺激性便秘薬、癖になりにくい薬がいいという人には非刺激性便秘薬がよいでしょう。
便秘の原因は人それぞれですが、生活習慣を見直すことで改善する便秘もあります。薬だけに頼らず、食生活などの生活習慣を改善する意識を持ちましょう。
便秘も放っておくと命にかかわることもあるので、悩んでいる人は医療機関やドラッグストアの薬剤師に相談するようにしましょう。
質問やご意見等ありましたら、コメントにてお願いいたします。
では、今日はこの辺で。